【元高校野球監督が解説】高校野球のタイブレーク

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2023年夏の甲子園大会が始まりました。

開幕戦の土浦日大高校と上田西高校の試合がいきなりタイブレークに突入となりました。

ここでは、高校野球におけるタイブレーク制度の概要と、歴史や戦術について解説していきます。

概要

高校野球のタイブレークの概要は以下の通りです。

・9回終了時点で同点の場合、10回表から無死1,2塁の状態でスタート

・9回終了時の打順を引き継ぎ、前打者2人が走者となる
 (9回の攻撃が2番で終了した場合、10回は3番から)
 10回の先頭打者が3番のとき、1番が2塁走者、2番が1塁走者になる

・イニング制限は設けず、10回以降決着がつくまで同様のケースでスタート

試合時間の短縮を目的に、10回から始まります。

高校野球延長戦の歴史

・~1958年 無制限

・1958年(選手権大会から)~1999年
 延長18回 引き分けの場合、再試合

・2000年~2017年
 延長15回 引き分けの場合、再試合

2018年~2022年 
 延長13回からタイブレーク 無死1.2塁でスタート
 以降のイニングは、勝負がつくまで同様にスタートする

2023年~
 延長10回からタイブレーク 無死1.2塁でスタート
 以降のイニングは、勝負がつくまで同様にスタートする

タイブレークが初めて導入されたのは2018年でした。

予選から続く猛暑での過密日程や、引き分け再試合などでの選手の負担への、世間の声に応える形で導入したというのが実情でしょう。

より試合時間を短縮することを目的に、2023年選抜大会から、10回からスタートすることになりました。

2023年地方大会での延長戦

地方大会の延長戦試合数
2022年 195試合
2023年 186試合

そのうち、試合が決着したイニングは以下の通りです。

イニング2022年2023年
10回99試合147試合
11回4231
12回23
13回20
14回以降11
引用元:朝日新聞DIGITAL

2022年は10回で決着した試合はおよそ半数なのに対し、2023年では約8割もの試合が
10回で決着しています。

夏の甲子園での試合でも、早く決着がつく試合が多くなりそうですね。

戦術

タイブレークでとられる戦術は、先攻か後攻かで大きく変わります。

先攻側は、まずは堅実に送りバントでチャンスを広げ、そこからヒッティングで得点を狙っていくことが多くなります。

もちろん、打順の巡りで信頼できる打者から始まる場合などは、ヒッティングで一気に大量得点を狙うこともありますが、同点の状況なので、まずは送ってチャンスを広げる選択をすることが多くなります。

先攻側の戦術

〇送りバントでチャンス拡大、そこから本格的に攻撃開始

〇打順によってはヒッティングで大量得点を狙う

タイ(同点)の状況なので、まずはチャンス拡大の選択が増える

後攻側は、表の相手チームの得点に応じて戦術は変わります。

表に最少失点(この場合0~2点)に抑えることができた場合は、まずは同じ点数を取る必要があるため、送りバントから入ることが多くなります。

表を無失点、1失点で抑えた場合には、バントで送って、次打者でスクイズということも十分に考えられます。

表で大量得点(3点以上)取られた場合には、バントなどでチャンスを広げても届かないため、ヒッティングに出る考えになります。

後攻側の戦術

〇先攻チームの得点差が0~2点
  送りバントでチャンスを広げ、まずは相手チームと同得点を目指す
  点差によってはスクイズも十分にある

〇先攻チームの得点差が3点以上
 ヒッティングで大胆に攻める

相手チームの得点によってかなり変わる

以上のように攻撃していくのが基本のスタンスになります。

大学、社会人では

都市対抗野球延長10回 無死1,2塁から
全日本大学野球選手権
東京六大学野球なし
東都大学野球リーグ延長10回 無死1,2塁から

7月に行われていた社会人野球の全国大会である都市対抗野球では、高校野球と同様のケースでのタイブレークが採用されました。

大学野球では、全国大会では採用されていますが、各リーグではそれぞれの試合規定によって異なります。

プロ野球では

日本のプロ野球(NPB)ではタイブレークは採用されていません。

メジャーリーグではレギュラーシーズンのみ、10回以降無死2塁からのタイブレークが導入されています。

野球界全体の傾向は、試合時間の短縮を目指す方向に動いており、現在はタイブレークを採用していないリーグも、採用の方向に向かう可能性が高そうです。

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